インドって複雑だからこそおもしろくて分かりにくい
インドといえば、おなか壊すとか、大気汚染がすごいとか、そういったイメージで語られることが多い気がする。やはり勉強してみると複雑で、とても多様。それが面白さではあるのだけど、忙しいビジネスパーソン的な人にとっては、一つ一つを理解する時間もリソースもない、となりそう。
でも色々調べてみると、色々断片的に聞いたことのある知識との結びつきがあって面白い。
IIScを作ったインドの財閥であるジャムシェトジー・ヌッセルヴァンジー・ターターは、もとはグジャラートの出身なんだけど、そこには、イランから逃げて来たゾロアスター教の子孫がいて、その人たちはパルシーと呼ばれている。ゾロアスター教って高校の倫理の授業できいたことあるなーパルシーってなんや、って感じもするけど、たとえば、クイーンのフレディマーキュリーは、パルシーだったらしい。
ちなみに、ターター(TATA)は昔三角貿易で稼いで、資金を得て、いまのムンバイを発展させた人。タタ製鉄とかリライアンスなどが今は有名。
宗教だけでも、イスラム教8割、ヒンドゥー教1.5割、他をキリスト教、シク教、ジャイナ教、ゾロアスター教、仏教など、宗教ほんとに多い。富裕層が多いのは、ターバンを巻いていて寛容であることからインド領インド帝国時にイギリス側から重用されたシク教と、商人に伝統的につくことになっていて、貴金属の商いを取り仕切ることからこちらも裕福なジャイナ教。
ヒンドゥー教の中でも、ポルトガル語の血統という言葉からきているカースト(いまはヴァルナ)と、出身をあらわすジャーティという区分があって、今はジャーティが基本的なものになっている。
例えば、マルワリ商人とかは、ヒンドゥー教のビシュヌ派(他に、三大神様としてブラフマー、シヴァがあるけど、すべての始まりのブラフマー派ってのは今なくてシヴァ派とビシュヌ派の2つが派閥らしい)から来ていて、ラジャスタンの方にいる人たちで、起業精神とリスクテイキングの現れ。
安全保障上の危険が起きるのは、人種・民族間の対立、宗教上の対立、資源エネルギー的、これを中心に見ていけば、経済安全保障のキーポイントだとおもって、深く探っていきたい。
あとは、北の方のイランから来たアーリア系と、原住民のドラヴィダ系、で、カースト(ヴァルナ)については、アーリア系が、上位のバラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、ドラヴィダ系の原住民をシュードラと区分したのがもとの始まり。
一説には、上級とされた職業につけないシュードラやダリットの人たちがITなどの新しい職業を求めたことから、アメリカなどへ移民しているインド人でITで成功しているのもドラヴィダ系が多いとか。
あとはモンゴロイド系の人たちもいて、その人たちは、イギリス領インド帝国になったときに、ひとくくりにインドとされたアッサム地方の人たちだったりする。日本人とかにも結構見た目似てるらしい。
宗教と民族がクロスしていて、ここら辺は永遠に語ることが出来そうな分野。現代の話や、日本人がよく知っている例と絡めて語れるようにしたい。インドの仏教界は今日本人が仕切っているとか。