インド大学院留学~IIScって何?IITじゃないの?~(オンライン留学編)

2020年からインド大学院留学する家族のブログ。コロナのため単身留学中。

集団安全保障と集団的自衛権の問題

インドに注目した理由の一つとしては、インド太平洋構想がある。はじめは名前だけで中身が分かっていなかったけど、つまるところこの構想は、インドという重要な国と、米国の安全保障ルールとの関係をどのように考えていくか、という枠組みだと理解できる。

 

世界の安全保障環境は、国連の安全保障理事会の下で、ルール上、非常時には国連軍が出ることになっているものの、これが出動したことはなく、実際には、NATO体制のもと、安全保障体制を維持している。日本は、北大西洋条約機構NATO)とは、日米安全保障条約によって、アメリカをハブとする集団安全保障に連結されている。

 

言い換えると、国連でルールを設けて、ルールに抵触する国に対して、制裁などを加えるのが集団安全保障の考えだけど、現行この仕組みに基づいたアクションは取られておらず、殴られたら殴り返すという自衛権を拡張して、友達が殴られたら代わりに殴り返す集団的自衛権が実効的になっている、という指摘がある。

 

そういう観点から見ても、インドって同盟国でもなんでもないし、非同盟の国と言われていて、自国及び周辺地域の安全保障環境は自分たちで守る、という意識があるため、集団的自衛権の考え方で、インドと仲良くしていくには、アメリカにとって、そして日本にとって難しい話。そこで、出てきたのが、地域的な集団的安全保障であるインド太平洋構想、と理解できるところでしょうか。

 

地域的な安全保障に関する規律をつくって、ルール守れないやつには、罰則を与えていこう、という枠組み。こういう構造って、経済のレイヤーでも核不拡散のレイヤーでも様々展開されてて、実行力があるものもあればないものもあって、調べていくとおもしろいんだろうなぁ。

 

少なくとも、日本から見たときに、集団安全保障の枠組みでは、国連は部分的にしか機能しておらず、米国ハブとした集団自衛権を認める国同士のつながり、があって、その一つにぶら下がっている。という位置づけが、もっとも実行力のある形であって、そこからアジアの秩序を守っていくにはどうしたらいいか、と考えた先に、地域的な安全保障を取り入れていこうという取り組みが、アジア太平洋構想、ということかしら。現在研究中。

 

経済的な枠組みで言うと、ASEANとかそういう感じか。経済っていっても、大枠の経済協定から、自由貿易協定、エネルギー安全保障、国際通貨基金みたいな、金融安定化システムがあって、多層的だし、それらがそれぞれの独立の意図を持って独立に動いているのが今の世の中な気がするなぁ。米国とか中国とか中央政府がツールとしてそういうものを強権的に使いこなしている国家はそれらを国家の目的に準じて使っている気はするけど、そういう使い方は、民主的な観点と秩序維持の観点からみて、他国からは受け入れられないものだと認識されがちな気がするなぁ。

 

WTOとかルールを定めて秩序をする取り組みと、それぞれの条約・約束に基づいて、殴ったら殴り返すもしくは助太刀する、といった仕組みを作る取り組みのそれぞれがあるのだなぁと認識した。