フィギュアスケートにおける美しさの基準を機械は理解できるか。
美しさの評価って、主観的だけど、世界の大半が美しいと感じたり、バランスが良い、と感じたりするものってあるよね、という話から出てきたフィギュアスケートの演技評価への機械判定導入について。
フィギュアに映像判定を入れて客観的なジャッジを求めるのは面白そうという話。過去の評価から学習したものが使い物になるかどうか。単純な物理的動きの解析だけではなく、演技のダイナミズムや、表情や、音楽との調和などアートのサイドから考えるべき要素は多そう。
ハッとさせられる独自性とかって、機械は判断できるようになるのだろうか。例えば、荒川静香さんのイナバウアーを初めて繰り出したときに、単純に体の軸が異常に傾いた失敗に近いイナバウアーと判断されて、減点要素になるのでないか、と心配。
自分としては、機械が求める演技を選手が追及し始めることになるのって、今の感性からしてもイケてないと思うから、結局、回転数とか、スピードとか機械が得意なところは機械が評価して、あと半分は人間に任せられるのではないかと思う。
新しい技とかが引き起こす感動とか驚きみたいなものを考えると、機械の評価は、客観的な評価を得るために導入するものではあるものの、ある一定の水準を超えた領域(選手)においては、機械がそれまでの観測結果から導き出す演技の美しさと、人間の審査員が感じる美しさって違ってくるんではないかな。
調べてみると、フィギュアは、技術審判3人、演技審判最大9名とかの構成らしい。技術審判には、ビデオ判定が導入されるなど、技術導入が進んでいる。演技審判の判断も”構成点”になってからは、字面で見る限り、かなり客観的にみられるように設定されているのではないかと感じる。以下の項目についてGOE(Grade of Elements)をつける。減点については明確だけど、加点についてはややあいまいさが残るとのこと。
- スケート技術(Skating Skills, 略記号:SS)
- 要素のつなぎ(Transitions / Linking Footwork, 略記号:TR)
- 動作/身のこなし(Performance / Execution, 略記号: PE)
- 振り付け/構成(Choreography / Composition, 略記号: CH)
- 曲の解釈(Interpretation, 略記号: IN)
これを実態的に機械に置き換えることは今の段階では難しい取組だけど、何か一つの要素を定量化していくのは面白い取組かもしれないですね。スケート技術や要素のつなぎあたりは真っ先に定量化できる部分かもしれない。